不動産投資の家賃収入と売却益を両取りする方法
2014年5月に出版された本です。著者は束田光陽さん。
私が通っていたファイナンシャルアカデミー不動産投資スクールの先生です。
師匠の最新本を読みながら、2014年からの不動産投資について変化が出てきていること。
これから不動産投資をはじめるのなら、今までの投資家以上に知識が求められるな、と。
投資の勉強の必要性をかなり感じてしまいました。
デフレ時代の不動産投資とインフレ時代の不動産投資
私が投資を始めたのは2009年。失われた20年と呼ばれるデフレが続きます。
2007年に東京都市部を中心にプチバブルがありました。この頃に、大手都銀からの融資を受けて
一棟モノマンションを購入したサラリーマン投資家の書籍や教材が人気でした。
それもそのはず。2009年は融資がほとんど出ないと呼ばれていた時代。
サラリーマン投資家に対する風当たりも特に強い時期だったと聞きます。
リーマン・ショックもあり、不動産に対する融資にアレルギーを起こす銀行も多かったとか。
銀行から融資が出にくいということは、買い手が多く(3~4割)の自己資金を用意する必要があります。
すると全体的に物件価格が下がっていく傾向にあります。
不動産の売買価格は相対取引なので、定価という概念がありません。
売り手の希望する価格に対して買い手がすごく少ない状態。デフレはますます進行しますよね。
デフレ期は銀行から融資を受けて買う場合は苦労をする反面、安く買えるチャンスです。
極端な話ですが、物件が悪くても安くいい条件で買えているのなら不動産投資は失敗しにくいはず。
インフレになればもちろん高く売れるチャンスも来るはずですし…
時が変わって2013年、安倍政権の推進する緩やかなインフレ対策によって
不動産価格(相場)はじわじわと上昇してきました。銀行融資もデフレ期と比べて、積極的に…
インフレということは、お金に対してモノ(不動産・株など)の価値が上昇すること。
つまり、不動産で言えば「値上がり」が期待できるということですね。
値上がりを期待して不動産を買うということは、売却益も狙うということ。
不動産投資 家賃収入&売却益 両取りのルール本は従来の、家賃収入から利益を出す方法に加え
出口戦略と言って、物件を売却した場合もシュミレーションしながら
物件取得戦略を考えるための書籍だと言えます。
- デフレ・インフレ期の不動産投資の違い
- デフレ期:不動産<お金(不動産価格上昇を期待できない)
→銀行が融資に消極的→売り手希望価格に対して買い手が限られる→価格下落 - インフレ期:不動産>お金(不動産価格上昇を期待できる)
→銀行が融資に積極的→売りて希望価格に対して買い手が増える→価格上昇
インカムゲインとキャピタルゲイン(売却益)を予測する
デフレ期の不動産投資は物件売却益が期待できない以上、利回り重視。つまり
物件価格に対する年間家賃収入の割合(利回り)に比重を置いていました。
家賃収入というインカムゲインをターゲットに物件探しをします。
市場に出回る不動産投資本もたいていは、インカムゲインにフォーカスしたものが多い。
一方インフレになると、家賃収入目当てではない、不動産売買によって
利益を出そうとする人も市場に食い込んできます。キャピタルゲイン狙いです。
買い手が増えるってことは、競争が激しくなりますね。
数の限られる不動産に対して買いたい人が増えれば、物件価格が上がります。
価格が上がるということは、利回りは下がるんですね。
- 不動産賃貸の利回り=年間家賃収入÷物件価格×100(単位:%)
※物件価格の上昇=分母が増えるので、利回り(%)は減ることになる
将来売却した時のキャピタルゲインを明確に予想をするのは難しいです。しかし、
購入する段階でいつ頃どのように売却益を出すかを考えて物件を買うと、
インカムゲインもキャピタルゲインも取れるようになります。
不動産投資 家賃収入&売却益 両取りのルール本のポイント
不動産投資で家賃収入と売却益両取りのルールを解説した本は斬新でした。
不動産投資スクールで学べることのエッセンスがところどころに散りばめられています。
卒業生は本一冊でざっと復習ができますし、不動産投資について学び始めた人には
不動産投資ってこんなんなんだんなーってイメージが湧きやすいと思います。
キーワードとなるのがアービトラージという考え方です。
不動産は相対取引と言いましたが、地域差や売主事情、買主事情によって
安く買えることもあれば高値づかみする可能性もあるということ。
不動産を高値づかみしてしまうとはっきりいって、不動産投資は失敗です。
家賃収入と売却益という、不動産を買ってから売るまでをどう運用して
利益を最大化していけるかを順序良く且つ具体的に書かれている一冊。
例えはマンション区分所有が多いのですが、一棟モノ(マンション全体に見立てる)や
戸建賃貸にも十分応用でき、不動産購入にあたる戦略イメージが湧いてくるはずです。
利益をどれだけ出せるのかは投資家の頭の中次第だな、とも改めて感じました。
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